最近の活動から

『高木不動産投資ファンド(レジデンシャル・ワンシリーズ)被害救済事件』

大田伊早子 弁護士

 この事件は、大阪市に本店をもつ2部上場の証券会社である高木証券が専売した不動産の投資ファンド(商品名「レジデンシャル・ワンシリーズ」)による投資被害の救済事件です。この商品は、投資家から集めた資金と銀行からの借入金を利用して賃貸マンションを購入し、賃料収入を使って年2回の配当を行い、3年後にそのマンションを売却して売得金を配分するというものです。高木証券の販売員は、この商品を購入させる際に、不動産への投資なので投資リスクの少ない安定型の商品であるかのような説明を行いました。そのため、多くの人がこの商品を「配当をもらえる分だけ銀行に預金するよりも少しお得」なだけの安全な商品であると誤信し購入しました。しかし、実際にはこの商品は、大変なハイリスク商品だったのです。しかも、その説明は全くと言っていいほど購入者になされていませんでした。全国で被害が続出し、今年1月に満期を迎えた商品は、100万円の投資に対して最終的には76円のみ返ってきただけという衝撃的な事態となっています。

 神奈川では、2008年に被害弁護団が結成され、当事務所から芳野弁護士と私太田が参加しています。弁護団は、既に、2009年3月に第一次訴訟を、2010年1月に第2次訴訟を、2010年6月に第3次訴訟を提起し、被害回復に向けた裁判を行っています。大阪、東京でも被害弁護団が結成され同様の裁判を行っている真っ最中です。

 弁護団では訴訟を提起するのと同時に、全国で一丸となり、証券取引等監視委員会に対して申入れを行い、2010年6月17日に同委員会から金融庁に対し、高木証券への行政処分を行うようにという内容の勧告が出され、ついに6月25日に、近畿財務局は、高木証券に対し、ファンド商品の販売を7月1日から2週間禁止する一部業務停止命令を下しました。

 高木証券に対して行政から厳しい判断が示された今、現在訴訟係属中の被害者はもちろんのこと、まだ誰にも相談できない状態で苦しんでいる人たちの救済も含め、さらにエンジンをかけて、レジデンシャルワンシリーズの被害救済に向けた活動をしていくつもりです。商品を正しく理解し、正しい情報が提供されてこそ、消費者は投資判断ができ、それが結局のところ、金融取引を発展につながるのだと思っています。

 高木証券に対するレジデンシャルワンシリーズ被害救済の活動にご注目下さい。

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