リレーエッセイ(コラム)

第15回『少年事件に取り組んで』

太田伊早子 弁護士

 私が力を入れて取り組んでいる分野の中に少年事件があります。

 少年事件を担当するようになって、子どもたちをめぐる様々な問題に気づかされてきました。貧困の中に生きている子ども、虐待されている子ども、大人に利用されている子ども、コミュニケーション能力にハンディを抱えている子ども。少年事件の背景には、まだ成長過程にいるということだけに止まらない、その少年一人の力では乗り越えることが難しかったそれぞれの問題があることを実感します。

 少年審判では、少年に対して様々な働きかけを行いながら、少年一人一人の背景事情まで深く考察した上で、今後犯罪を起こすことのないようにするための処遇が決められています。私がこれまで担当してきた一人一人の少年を思い浮かべたとき、少年審判を経て彼らは変わったし、その変化、成長は刑事手続では得ることができなかっただろうと思うのです。

 現在、少年法の適用年齢を引き下げる議論がなされようとしています。私は引き下げに反対です。それは私の少年たちと接したこうした実感に反するからです。

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